「カンティエリ・ディ・サルニコ」は、イタリア北部の湖水地方、イセオ湖畔の町「Sarnico/サルニコ」の地名を冠した、少量生産の格式あるスポーツボートの建造メーカーです。
上質を極めることへの強い意思は、イタリア北部における貴族のボーティング文化の一端を担ってきた、サルニコという土地特有の文化的背景が大きく影響しています。
イセオ湖畔の町サルニコには、1920年代、コモ湖で盛んに開催されていたスピードレースを嗜むための、パワーボートの建造・修理を行う工房が数多く存在していました。
レースで勝利するためのアイデアを練り改造を加えて、よりスピードを加速する知恵を数多くの経験とともに積み重ねていった時代でした。50年代以降、単にスピードを競うボートから、美しさを併せ持つ、パワーボートへの関心が高まりをみせ、職人達は競うように美しいボートの建造に力を注ぎ、プレジャーボートの性能や品質は、大きく進化を遂げました。
こうした背景の中で1992年に設立したサルニコ社の正式名称は、「カンティエリ・ディ・サルニコ」、「サルニコの造船所」という意味を持ちます。
スペックでは表せない、心に響く「走る愉しさ」と「美」への探求は、サルニコという土地に根付いたアリストクラティックなボーティング文化を継承している所以です。高品質を第一とするサルニコの審美眼は、ハイグレードな造船に取り組める充実した環境の下、サルニコの地に育まれた世界最高のクラフトマン達の精緻な技術によって丹念に仕上げられています。
サルニコが求める「走り」には、乗り心地が全て、という信念から艇体の設計に最も注力しています。
最適化した船体バランスにより、秀でた凌波性を発揮。立ち上がりの良いプレーニング、ストレスを感じさせない滑らかな走りを実現します。
アリストクラティックな品格とスポーティーさを醸し出す外観、高さを抑えたハードトップライン、効果的なウィンドウシールド、スポーティーなドライバーズシート、コンソールの計器類やステアリング周り。デザインの美しさは言うまでもなく、エアロダイナミクスとエルゴノミクスを駆使した、妥協のない優美な快適性は、航行中の身体負荷の軽減につながっています。
サルニコのテーマである美と性能の両立は、アリストクラティックな風格を愛でる喜びや、舵をとる感覚的な充足感と相まってサルニコでしか体験できない「走り」に表現されています。
ハルは、ヴィクトリーデザイン、スーパーストラクチャー及びインテリアのデザインは、ヌボラーリ・レナードが起用され、それぞれの得意分野の融合を実現させています。